「会社に頼らず、自分の力で生きていく」――
近年、そんな思いから、脱サラして起業する人が着実に増えています。
リモートワークや副業解禁といった働き方の変化に加え、終身雇用制度の崩壊や人生100年時代の到来によって、「脱サラ＝会社を辞めて独立・起業」という生き方は、もはや一部の限られた人だけの選択肢ではなくなっているのです。
とはいえ、実際に独立を考えたとき、「今の年齢で脱サラして大丈夫なのかな」と多くの人が悩むことと思います。
20代のうちに挑戦すべきか、30代・40代での転機を狙うべきか、それとも定年前後のセカンドキャリアを意識して脱サラすべきか――。
本記事では、脱サラを考える人が増えている社会的背景を整理しつつ、年代別の脱サラのメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。
自分らしく働きたい、自分の人生を自分で切り開きたい――
そう考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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＜目次＞ |
脱サラを考える人は増え続けている
多くの人の間で、かつては「ひとつの会社で定年まで勤め上げる」ことが、安定した人生の象徴であると考えられてきました。
しかし近年、その常識が大きく揺らいでいます。
社会の在り方やライフスタイルの変化、およびテクノロジーの進歩により、組織に依存しないような生き方、働き方「脱サラ」＝会社を辞めて独立・起業する選択肢を取る人が増えているのです。
この章では、脱サラを考える人がなぜ増えているのかについて詳しく解説していきます。
働き方の多様化と人生100年時代
現代では、テクノロジーの進化やリモートワークの普及により、「どこで・誰と・どのように働くか」を自分で選べるようになりました。
その結果、会社を興すハードルが下がり、比較的少ない資本でも事業を始められるようになってきています。
また、最近では「人生100年時代」という言葉もよく聞くようになりました。
寿命が大幅に伸びたことで、60歳で定年後も現役で働き続ける人が増えています。
定年後も多くの人が働き続ける必要がある現代においては、「40歳を過ぎたら第2のキャリアを築く」という選択をする人が多くなるのも自然な流れといえます。
終身雇用の限界と個人の価値観の変化
日本の企業では長らく「終身雇用」が当たり前でしたが、景気が不安定な現代では、大企業でさえリストラや早期退職を打ち出す時代に入り、その信頼性は崩れつつあります。
年功序列も見直され、実力主義の風潮が強まる中、「このまま会社にいても将来が見えない」と感じる人が増えています。
さらに、Z世代やミレニアル世代などの若者を中心に、「安定よりもやりがい」「会社よりも自分らしさ」を重視する価値観が広がっており、自分で道を切り開こうという意識を持った人が増えています。
副業解禁で「自分で稼ぐ」経験をする人が増えた
2018年に政府が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定したことを契機に、多くの企業が副業を解禁しました。
これにより、会社員として働きながら副業を始め、自分で稼ぐという経験を積む人が増えています。
副業を通じて「会社に頼らずにお金を生む」体験をすると、自然と「もっと自由に働きたい」「本業にしたい」と考える人が出てきます。
こうした経験が、脱サラの決断を後押しする大きな材料となり、会社を辞めて独立をするという選択をする人が増えているのです。
脱サラに適した年齢は何歳？【年代別のメリット・デメリット】
「脱サラを考えているけれど、自分の年齢で本当に大丈夫だろうか？」
脱サラを考える上で、自分の年齢と照らし合わせ、不安を抱える人は少なくありません。
実際脱サラは、実行するタイミング、年代によって向き不向きがあるのも事実です。
この章では20代〜50代まで、それぞれのタイミングで脱サラを選ぶことのメリット・デメリットを整理してみましょう。
20代での脱サラ｜挑戦しやすいが経験と資金がネック
20代は、体力もあり柔軟な思考ができる時期。
失敗しても再チャレンジしやすく、仮にうまくいかなくてもやり直しが効くという点で「挑戦」に最も適した年代とも言えます。
特に独身であれば、生活コストを抑えやすく、リスクも少ないため大きなアドバンテージがあるといえます。
一方で20代は、社会経験や業界知識、人脈がまだ乏しく、ビジネスをやる上での信頼性に課題が出ることも。
また、資金面でも貯蓄が十分でないことが多いため、資金繰りの厳しさや経験不足から事業がうまくいかないケースもよく見受けられます。
30代での脱サラ｜経験と人脈が活きるベストタイミング？
30代は、キャリアの蓄積があり、ある程度の専門性や実績を持っている人が増えてくる年代です。
前職での人脈を活かして案件を得たり、実務能力をベースに独立できるケースも多く、「実力勝負」に耐えうる力を持っている世代と言えるでしょう。
また、家庭を持っている人も増えるため、「家族を守るために稼ぐ」という覚悟が原動力にもなります。
ただし、その反面、生活費や住宅ローン、子育てなどの固定費が重くのしかかるため、大きな勝負に出るのはややリスキーともいえます。
準備不足のまま踏み出すと、自分だけでなく家族にも不安を与えてしまう点には注意が必要です。
40代での脱サラ｜家族やローンが課題。それでも勝機はある
40代は、ビジネス経験の豊富さや専門的なスキルを武器に、コンサルタントや独立請負型の働き方に移行しやすい年代です。
また、部下や後輩のマネジメント経験を活かし、人材育成やチーム経営に関わるような独立にも勝機があります。
一方で40代は、教育費のピークや住宅ローンの返済期が重なり、経済的なリスクが非常に高くなる時期でもあります。
脱サラを実行に移すなら、家族の理解と十分な資金の準備、明確なビジネスプランの構築が不可欠です。
勢いや理想だけでは乗り越えられない「現実の壁」が存在することを意識し、慎重に行動することが大切です。
50代〜定年前後の脱サラ｜経験を活かす第二のキャリア形成
50代になると、会社内でのキャリアの天井が見え始めるとともに、「このまま会社に残っても定年後が不安」と感じる人が増えてきます。
したがって、定年前後の脱サラは、これまでの経験・人脈・信頼をフル活用して、セカンドキャリアをスタートさせる好機と捉えることもできます。
特に、定年退職金や早期退職制度を利用すれば、ある程度まとまった資金をもとに独立の土台を築ける点も強みです。
ただし、年齢的な体力面やデジタルスキルの習得スピードなどで若年層に遅れを取ることもあるため、無理のない範囲で自分の「強みを活かせる分野」に絞った戦略を練りましょう。
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