【この記事の概要】
現役生活が短く、ほとんどの人が30〜40代で引退してしまうプロスポーツの世界。
そんな引退後のプロスポーツ選手は、その他の業種での就労経験がないなどの理由で、次の仕事が見つからないことが多いようです。
この問題は「セカンドキャリア問題」という名で、長く日本の社会問題となっています。
今回の記事では、プロスポーツ選手の引退後の仕事について、以下の見出しで解説しています。
プロスポーツ選手の引退後の仕事
プロスポーツ選手は引退後、どのような仕事に就くことが多いのでしょうか?
プロスポーツ選手の引退後の道となることが多い職業を調べてみました。
コーチ・トレーナー
コーチ・トレーナー職は、プロスポーツ選手の引退後の道として最もポピュラーなものです。コーチ・トレーナー職はプロ時代の経験を生かすことができますし、プロ時代に活躍できなくとも、後進の育成では力を発揮する人もいますので、引退後、多くの人がコーチ・トレーナー職にチャレンジするようです。
しかし、コーチ・トレーナー職は狭き門。また、現役時代の知名度やコネクションなども重要になります。現役時代から引退後を見据えて準備をしなければならず、そこまでしても確実に就職できるとは限りません。
試合などの解説者
プロ野球選手などは、引退後にプロの試合の解説員となる人も一定数います。
しかし、解説員もコーチ・トレーナー同様、働き口は非常に少ない上、プロでの経験にプラスして喋りの才能も必要となります。
プロ選手から解説員に転職できる人は、ほんの一握りです。
スポンサーシップやエンドースメント
スポーツ関連のメーカーなどとスポンサーシップ契約を結び、自身の関連グッズやスポーツ用品を販売することで生計を立てている人もいます。
しかしこちらも、現役時代に華々しい活躍をしたスター選手のみに残された道であり、ほとんどの人はエンドースメントできないか、できても雀の涙ほどの収益しか得られないといわれています。
全く新しいキャリア
スポーツ選手というキャリアを全て捨てて、まったく新しい仕事にチャレンジする人もたくさんいます。
中には現役時代に貯めた資金を元手に商売を始め、大きな成功を収めた選手もいます。
また、プロ時代に得た肉体改造の知識を使って、スポーツジムやストレッチ・整体等のインストラクターとして活躍する人もたくさんいます。
引退後に職がない!セカンドキャリア問題
プロアスリートの中には引退した後、仕事が見つからず、転職活動が難航する人が多くいます。
プロ引退後、仕事に困る人が多いこの現象は、「セカンドキャリア問題」として1990年代頃から社会問題となっています。
元アスリートはなぜ、引退後の転職活動に難航するのでしょうか?
この項では、元アスリートの転職が難航する理由について解説します。
元アスリートの転職が難航する理由①スキル・経験不足
アスリートが現役を引退するのは30〜40代がほとんどです。
現役時代はプロ選手でしたので、引退したアスリートのほとんどは実社会での仕事の経験がありません。
そのため、スキル・経験不足がネックとなり、就職活動に難航する人が多いようです。
元アスリートの転職が難航する理由②年齢の壁
上でも解説しましたが、アスリートは30〜40代で現役を引退します。
20代と違って、30〜40代というのは、転職市場においてはあまり人気のない人材です。
転職の際、自身の年齢があだとなり、転職活動が難航する元アスリートが多くいます。
独立は起死回生の一手!
職歴やスキルを必要とせず、未経験でも問題なく転職できる方法があります。
それは、起業、つまり1から自分で会社を起こすことです。
自分の会社であれば、社の方針や働き方は全て自分の裁量一つです。
引退後のセカンドキャリアが見つからない、という元アスリートのみなさんは、独立開業で起死回生を狙ってみるのも一つの手です。
未経験でも高い成功率|フランチャイズ独立
しかし、いざ起業するとなるとどうしても、「失敗したらどうしよう」という不安がついて回ります。
事実、起業後の成功率は全業種平均で40%前後といわれており、10人中6人の人は開業後5年以内に会社をつぶしています。
しかしながら、これは1から自分で会社を起こした場合の話。
起業には、自分で1から会社を作る方法と、もう一つ、特定の企業にフランチャイズ加盟するという方法があります。
フランチャイズのメリットは、店舗を立ち上げる際のコストが安く、独立・開業へのハードルが低い、広告・集客のサポートが厚い、経営経験がなくても安心して始められ、成熟した経営ノウハウを利用できる、知名度の高いブランドを利用できる、材料を安く調達できるため販促面で個人店より有利なこと、などがあります。
国も支援!アスリートのセカンドキャリア
現在、プロアスリートのセカンドキャリア問題解決のために、国もさまざまな支援策を講じています。
例えば、中途採用等支援助成金は、中高年齢者が起業し40歳または60歳以上の従業員を雇用した場合、雇用にかかる費用の一部を補助する助成金で、最大で150〜200万円が支払われます。
そのほかにも、引退したシニア世代と企業をマッチングする施策や、女性が活躍している職場の優遇措置を実施する支援策などもあります。